光のもとでⅠ
 ツカサは自分の携帯をラグに放り、代わりに私の携帯を注視する。
「本当にバカだろ……」
「……ツカサにお財布渡されなかったら、唯兄たちと一緒に帰るつもりでいたもの」
「それ以前の問題。こんな時間にここへ来る必要はなかっただろっ!?」
「だって、ツカサが学校へ来るかなんてわからなかったし――」
「こんなことくらいで休まない」
「そんなこと私にわかるわけないでしょうっ!?」
「わかれよっっっ」
「――じゃぁ、百歩譲ってわかったとして、学校で会ったら話してくれたっ!? さっきの話、全部話してくれたっ!? 私、学校では話してくれないと思った。まるで知らない人に接するように対応されるんじゃないかと思った」
 それが嫌で、怖くて、ここまで来たのにっ――。
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