光のもとでⅠ
「いずれにせよ、話す必要はあった」
 淡々と返されて頭にくる。
「……ごめん。私、余計なことしたみたい。帰るっ」
 すく、と立ち上がると決まっていた未来のように眩暈がやってくる。
 今回はものの見事に平衡感覚を持っていかれた。
 心臓が数秒間止まり、ドク、ドクドク、と不規則な動きを再開させる。
 真っ暗な視界と冷や汗。
 それから、あたたかな体温。
「正真正銘のバカだろ……」
 ツカサの声が耳元で聞こえた。
 支えられている、というよりも抱きしめられている気がしてならない。
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