光のもとでⅠ
 涙が零れた。
 言葉にしようのない悔しさが涙になってあふれ出た。
 泣きたくないのに……。
 こういうの、もう嫌なのに――。
「……翠はいつになったら自分を許す?」
「っ……」
「俺には自分を許せって言ったくせに、自分のことは棚に上げるのか?」
 目を開けると、床の上で涙がはじけた。
 視界は戻っていた。
 ツカサに顔を覗き込まれ、再度尋ねられる。
「翠はいつになったら自分を許す?」
 じっと見つめる双眸は揺るがない。
 漆黒の瞳に呑まれそうになり、必死の思いで視線を剥がした。
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