光のもとでⅠ
「わ、から、ない……」
「……俺はたぶん、あまり気が長いほうじゃない。でも、この件――翠のことだけは待つつもりだから」
 私は言葉に詰まった。
「待つ」という言葉が嬉しくて悲しい。
 ツカサ……私、この件に関しては許されることを望んでいないの……。
 自分を責める人が誰もいなくても、自分が自分を許せない。
 気持ちが変わってしまった自分を許せそうにはない。
 どうして気持ちがかわってしまったのかがわからない。
 答えが出ないの……。

 ――「永遠なんて信じない」

 そう言った茜先輩の言葉が胸に重く響く。
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