光のもとでⅠ
「ありがとう。もうお昼ご飯の用意ができるから、楓を呼んできてもらえる?」
「了解」
 手洗いうがいを済ませ二階へ上がると、兄さんの部屋のドアが少し開いていた。
 中から会話が聞こえてくる。
「え、インフルエンザで入院っ!? 熱、そんなに高いの?」
 どこの誰だか知らないが、十一月頭でインフルエンザになるとかご愁傷様……。
 しかも、入院が必要なくらいの高熱とか、どれだけ運が悪いんだか。
 知り合いか患者の話だろうと思い、電話が終わるまで自室で待つことにした。
 けれど、突如聞こえてきた名前に身体が反応する。
< 7,634 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop