光のもとでⅠ
「でも、お休みされていても結局は学会の準備をしていらっしゃるのよね」
母さんはクスリと笑って父さんを見やる。
コーヒーカップを手にした父さんは、ガーデンテーブルでノートパソコンに向かい、カタカタと入力作業をしていた。
そして、水を撒き終わった母さんが屋内へ入れば父さんも移動する。
学会で海外へ行くからその前に一日休む、というのは詰まるところ、身体を休めるためではなく、母さんと一緒に過ごしたいだけだと思うのは俺の気のせいではないと思う。
父さんと母さんは決して会話が多いほうではないけれど、だからといって殺伐とした空気なわけでもなく、なんともいえない穏やかな空気をかもし出す。
父さんがカップをテーブルに置くと母さんが動いた。
「おかわりなさいますか?」
「すみません、いただけますか?」
「はい」
そんな両親の会話に、「あぁ、実家だな」と思う。
ふたりの時間を邪魔するのは気が引けて、俺は二階へ撤収した。
母さんはクスリと笑って父さんを見やる。
コーヒーカップを手にした父さんは、ガーデンテーブルでノートパソコンに向かい、カタカタと入力作業をしていた。
そして、水を撒き終わった母さんが屋内へ入れば父さんも移動する。
学会で海外へ行くからその前に一日休む、というのは詰まるところ、身体を休めるためではなく、母さんと一緒に過ごしたいだけだと思うのは俺の気のせいではないと思う。
父さんと母さんは決して会話が多いほうではないけれど、だからといって殺伐とした空気なわけでもなく、なんともいえない穏やかな空気をかもし出す。
父さんがカップをテーブルに置くと母さんが動いた。
「おかわりなさいますか?」
「すみません、いただけますか?」
「はい」
そんな両親の会話に、「あぁ、実家だな」と思う。
ふたりの時間を邪魔するのは気が引けて、俺は二階へ撤収した。