光のもとでⅠ
08
コンコン、とドアをノックする音がし、栞さんが入ってきた。
「夕飯よ」
言われてすぐにリビングへ移動する。
だいぶ吐き気も治まってきたので固形物でも普通に食べられそう。
テーブルの上にはプレートに少量のパスタがよそってあった。
「トマトのパスタっ!」
「そっ! トマトの冷たいパスタ、翠葉ちゃん好きでしょう?」
「大好きですっ! 栞さん、好きっ」
栞さんによしよし、と頭を撫でられていると、栞さんが不思議そうな顔を私の後ろに向けていた。
栞さんの腕に絡みついたままそちらを振り返ると、司先輩が驚いた顔のまま静止していた。
「どうしたんですか……?」
「……いや、翠がそんなふうにはしゃいでるところ初めて見たから」
……そうだっけ?
「学校でもそれだけはしゃいでいればいいのに」
「……あまり意識してないからわからないです」
「ふーん……」
「それを言うなら、司先輩がはしゃいでいるところなんで見たことないし、それ以前に想像もできません」
「……想像しなくていいし」
栞さんがクスクスと笑って会話に混じる。
「夕飯よ」
言われてすぐにリビングへ移動する。
だいぶ吐き気も治まってきたので固形物でも普通に食べられそう。
テーブルの上にはプレートに少量のパスタがよそってあった。
「トマトのパスタっ!」
「そっ! トマトの冷たいパスタ、翠葉ちゃん好きでしょう?」
「大好きですっ! 栞さん、好きっ」
栞さんによしよし、と頭を撫でられていると、栞さんが不思議そうな顔を私の後ろに向けていた。
栞さんの腕に絡みついたままそちらを振り返ると、司先輩が驚いた顔のまま静止していた。
「どうしたんですか……?」
「……いや、翠がそんなふうにはしゃいでるところ初めて見たから」
……そうだっけ?
「学校でもそれだけはしゃいでいればいいのに」
「……あまり意識してないからわからないです」
「ふーん……」
「それを言うなら、司先輩がはしゃいでいるところなんで見たことないし、それ以前に想像もできません」
「……想像しなくていいし」
栞さんがクスクスと笑って会話に混じる。