光のもとでⅠ
「玄関入って右側の部屋は片付いてる」
「ありがと」
その部屋に向かうと、司は制服や学校のかばんのほかにノートパソコンが入っているかばんを部屋の中央に置き、壁の一点を見つめた。
俺にとっては単なる部屋の壁だけど、司にとっては違う。
その壁の向こうは翠葉ちゃんが使っている部屋だ。
病院へ行ったとき、顔くらいは見に行くかとと思ったけど、それもしなかった。
やっぱりまだ返事をもらってないってことなのかな。
ふたりの関係に考えをめぐらせていると、司がポツリと呟いた。
「最初から打ち上げなんて行かせなければ――」
……バカなやつ。
後ろからコツリと頭を小突くとびっくりした顔で振り返る。
「ありがと」
その部屋に向かうと、司は制服や学校のかばんのほかにノートパソコンが入っているかばんを部屋の中央に置き、壁の一点を見つめた。
俺にとっては単なる部屋の壁だけど、司にとっては違う。
その壁の向こうは翠葉ちゃんが使っている部屋だ。
病院へ行ったとき、顔くらいは見に行くかとと思ったけど、それもしなかった。
やっぱりまだ返事をもらってないってことなのかな。
ふたりの関係に考えをめぐらせていると、司がポツリと呟いた。
「最初から打ち上げなんて行かせなければ――」
……バカなやつ。
後ろからコツリと頭を小突くとびっくりした顔で振り返る。