光のもとでⅠ
 司、そんなふうに思わなくても大丈夫だよ。
 あの子、精神的に不安定になることもあるけれど、病気と対峙しているときはこっちが驚くほどに強かったりする。
 それに、きっと彼女は後悔なんてしていない。
「今は熱を出しててつらいだろうけれど、昨日翠葉ちゃんは打ち上げに参加できて嬉しかったんじゃないかな」
 司だって半年ちょっと彼女を見てきてそのくらいわかっているだろう?
 守られているだけの子じゃないし、転んだとしてもただで起き上がる子じゃないんだ。
「友達と少しでも長い時間を一緒に過ごせて、嬉しかったと思うよ。たぶん、彼女は打ち上げに出たことを後悔なんてしない。だから、おまえも後悔するな」
 司は何も言わずに再度視線を壁へ戻し、思考を遮断するかのように視線を落とした。
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