光のもとでⅠ
 さて、何があったのか、どうしてそういうことになったのか、聞かせてもらおうか?
「真面目な話ならからかったりしない」
 話を聞いて、あんぐりと口を開けてしまったのは俺。
 実際に話した内容こそ教えてもらえないものの、昨日一昨日、司と翠葉ちゃんの間にあった「すれ違い」や「誤解」の数々を聞いてしまうと、もうなんとも言えない気持ちになる。
 何、ステージ上でもすごいことしてるなとは思っていたけど、水面下ではもっとすごいことになっていたのっ!?
 それを間近で見ていた海斗はどう思ったことか……。
 脳裏に海斗の苦笑が思い浮かぶ。
 確かに、そこまで誤解されたら誤解されないようなシチュエーションを作らない限り、告白すら無駄に終わりそうな気はする……。
 翠葉ちゃん独特の思考回路で華麗に捻じ曲げられて、すべてが水の泡になりかねない。
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