光のもとでⅠ
「ま、それなら目を瞑るかな? ……っていうか、なんだ。ちゃんと両思いって結果つきだったんだ? 昨日、どれだけつついても全然吐かないからまだ返事もらってないのかと思ってた」
 それならそうと昨日のうちに教えてくれても良かったものを……。
 昨日、司は俺や姉さんを完全に無視して黙秘を通した。
 何か別にそうしなくてはいけない理由でもあったんだろうか。
 そうこう考えていると、司が静かに口を開いた。
「兄さん……『衝動』って男側にしかないもの?」
「……それはつまり、性衝動ってやつ?」
「……そんなところ」
 ひどく言いづらそうな顔をして何を言うかと思えば……。
「くっ……おまえ、青春してるよな」
「……からかうならいい」
 変わり身の早さも天下一品。
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