光のもとでⅠ
「司くんはそういうタイプじゃないわよね。子どものころから妙に落ち着き払った子だったし……。どちらかというと無表情で喜んでいたりするわ」
私がラグに腰を下ろすと、司先輩もその隣に腰を下ろした。結果、栞さんだけがソファ座ってパスタを食べている。
「司先輩の小さい頃ってどんなだったんですか?」
栞さんに訊くと、
「そうねぇ……。とにかくいい子だったわ。無口だけど人に何かを言われる前に自分から行動できる子。一口に言えば手のかからない子……? それの真逆が海斗くん。あの子は目を放せば池の中に入って鯉を捕まえようとしていたり、塀を越えてお茶会を脱走しようとしていたり――とにかく、目の放せない子だったわ」
「あははは、海斗くんらしい」
こんなに笑ったのはいつ振りだろう?
司先輩は小さい頃からきれいな顔をしていたんだろうな。そして、海斗くんは予想を裏切らないやんちゃさん。
湊先生や栞さん、秋斗さんの小さい頃ってどんなだろう。いつか、アルバムを見せてもらえたら嬉しいな。
私の小さい頃の写真は家族写真しかない。しかも、顔が引きつっているものばかり。
知らないうちに取られている写真しか普通に笑っているものがない。
写真を撮られるのは苦手だけど、あとになって見られるものだし、残せるものだからいいものなのかもしれない。
人の歴史が残る感じ……。
私がラグに腰を下ろすと、司先輩もその隣に腰を下ろした。結果、栞さんだけがソファ座ってパスタを食べている。
「司先輩の小さい頃ってどんなだったんですか?」
栞さんに訊くと、
「そうねぇ……。とにかくいい子だったわ。無口だけど人に何かを言われる前に自分から行動できる子。一口に言えば手のかからない子……? それの真逆が海斗くん。あの子は目を放せば池の中に入って鯉を捕まえようとしていたり、塀を越えてお茶会を脱走しようとしていたり――とにかく、目の放せない子だったわ」
「あははは、海斗くんらしい」
こんなに笑ったのはいつ振りだろう?
司先輩は小さい頃からきれいな顔をしていたんだろうな。そして、海斗くんは予想を裏切らないやんちゃさん。
湊先生や栞さん、秋斗さんの小さい頃ってどんなだろう。いつか、アルバムを見せてもらえたら嬉しいな。
私の小さい頃の写真は家族写真しかない。しかも、顔が引きつっているものばかり。
知らないうちに取られている写真しか普通に笑っているものがない。
写真を撮られるのは苦手だけど、あとになって見られるものだし、残せるものだからいいものなのかもしれない。
人の歴史が残る感じ……。