光のもとでⅠ
 朝から夕方までなんの情報も得られなかったからか、俺はかなりイラついていた。
 そんな俺とは真逆でのんびりとした声が耳に届く。
『会議お疲れ様でーす。やっぱりあのふたりはS2に昇格ですか?』
 そんなことはどうでもいい。
「翠葉ちゃんは?」
『秋斗さん、とりあえず落ち着きましょうか』
「熱が四十一度を超えていて落ち着いていられるかっっっ」
『痛いっ! 耳がいたーーーいっっっ! 話し相手の耳を思いやれない人には教えてあげませんっ』
 ……冷静になれ。冷静になるんだ俺――。
「……悪かった、武明と武政はS2に昇格。で、翠葉ちゃんは?」
『秋斗さんも知ってのとおり、高熱出してます。昨夜、何度か戻したあと一気に熱が上がって朝には四十度。今朝八時くらいだったかな? 湊さんがうちに来て診察してくれました。所見でインフルの可能性ありってことで病院へ搬送。検査あれこれで俺らが病院を出たのは一時回ってましたね。あんちゃんは途中で大学に行って、まだ帰宅してません。ついでにリィは病院にお泊りです』
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