光のもとでⅠ
 俺を勝手に殺すなよ……とは思うものの、唯が言うことには一理あった。
『リィは夏と同じ九階の病室に隔離されてます。超合金クラスの凶悪ウィルスさんだからマスクしていても面会時間は十分以内とか制限されてますけど。お見舞いに行けないわけじゃないですよ』
 まるで「行ってきたら?」と言われている気がした。
 持ち帰る仕事はある。
 けれど、今の状態では手に付かない気がした。
「帰りに少し寄ってみる」
 そう言って通話を切った。
< 7,691 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop