光のもとでⅠ
俺たちは紅葉祭の日から会っていない。
話すこともメールも交わしていない。
あのとき、確かに気持ちが通じたように思えた。
でも、それは幻だったのか。
都合よく俺が勘違いしていたのか、もしくは夢でも見ていたのだろうか――。
翌日、帰りのホームルームが終わると同時にメールを受信した。
それは会長からのメールで、紅葉祭の「仕上げ」の結果が出るという内容だった。
担任に頼まれた所用を済ませてから図書室へ向かったが、そこに翠の姿はなかった。
「簾条、翠は?」
「それが、ホームルームが終わったら挨拶もそこそこに教室を出ていっちゃったの」
「……あぁ、今日は水曜か」
「何かあるの?」
簾条の問いに、「通院日」と短く答えた。
話すこともメールも交わしていない。
あのとき、確かに気持ちが通じたように思えた。
でも、それは幻だったのか。
都合よく俺が勘違いしていたのか、もしくは夢でも見ていたのだろうか――。
翌日、帰りのホームルームが終わると同時にメールを受信した。
それは会長からのメールで、紅葉祭の「仕上げ」の結果が出るという内容だった。
担任に頼まれた所用を済ませてから図書室へ向かったが、そこに翠の姿はなかった。
「簾条、翠は?」
「それが、ホームルームが終わったら挨拶もそこそこに教室を出ていっちゃったの」
「……あぁ、今日は水曜か」
「何かあるの?」
簾条の問いに、「通院日」と短く答えた。