光のもとでⅠ
 月水金は翠の通院日だ。
 もしかしたら行きは歩きなのかもしれない。
 それなら急いでいるのも頷ける。
 でも、来れないらな来れないで連絡の一本くらい入れそうなものだけど……。
 どうにもすっきりしないと思っていたら、秋兄の仕事部屋のドアが開いた。
 出てきたのは翠と秋兄。
 翠は目を大きく開けて俺たちを見た。
 まるで、「どうしているの?」とでも言うかのように。
「翠葉、帰ったんじゃなかったの?」
「桃華さんたちはどうして……?」
 翠が口にした理由と、翠と秋兄が並ぶ様にイラついた。
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