光のもとでⅠ
私はいったいどうするんだろう――。
以前、湊先生にやれることを探すのではなく、やりたいことを探すんだと言われたけれど、私がやりたいことはなんだろう――。
私は――ただ、普通に暮らしたいだけ。贅沢は言わない。ただ、普通に日々を送りたいだけ……。
そう常に考えてきた自分には、何かがやりたいという欲求ははるかに少ないのかもしれない。
"やれるか"ではなく、"やりたいこと"。
それを見つけるのが先決だけれど、それを見つけることがとても困難なことであるとどうして気づかなかったかな……。
思考の迷路に囚われていると先輩から声がかかった。
「手のマッサージ、してくれるんでしょ」
ふいに大きな手が頭に乗せられる。
「悪い……悪気はなかったけど、考え込ませるようなことを言った」
思い切り首を横に振る。
「……考えなくちゃいけないことだとは思っているんです。実のところ、中間考査のときからずっと考えているんですけど、自分の将来が見えなくて……。考えていると怖くなって目を逸らしてしまうんです」
それは自分の弱さだ。
以前、湊先生にやれることを探すのではなく、やりたいことを探すんだと言われたけれど、私がやりたいことはなんだろう――。
私は――ただ、普通に暮らしたいだけ。贅沢は言わない。ただ、普通に日々を送りたいだけ……。
そう常に考えてきた自分には、何かがやりたいという欲求ははるかに少ないのかもしれない。
"やれるか"ではなく、"やりたいこと"。
それを見つけるのが先決だけれど、それを見つけることがとても困難なことであるとどうして気づかなかったかな……。
思考の迷路に囚われていると先輩から声がかかった。
「手のマッサージ、してくれるんでしょ」
ふいに大きな手が頭に乗せられる。
「悪い……悪気はなかったけど、考え込ませるようなことを言った」
思い切り首を横に振る。
「……考えなくちゃいけないことだとは思っているんです。実のところ、中間考査のときからずっと考えているんですけど、自分の将来が見えなくて……。考えていると怖くなって目を逸らしてしまうんです」
それは自分の弱さだ。