光のもとでⅠ
 司の視線から遠ざけるように彼女の真横に立ち、視線を遮る。
「司、やけに突っかかるな?」
 まぁ、気持ちはわからなくもないけど。
「そう? いつもと変わらないと思うけど」
「そんなに俺と翠葉ちゃんが一緒にいたことが不満?」
 無自覚だったかもしれないけど、司は翠葉ちゃんに関することとなると感情が表に出やすい。
 けど、今は意識して感情を出しているようにも思えた。
「……不満といったら不満だな」
「そうだな。俺が司でもそう思うだろうな。好きな子が、その子を好いている男とふたりでお茶してたなんて知りたくもないよな?」
「秋斗さんっ!?」
 左袖をわずかに引っ張られた。
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