光のもとでⅠ
三年前のある日の出来事。
「久遠、撮影スタッフと屋久島へ行ってこないか?」
月一の打ち合わせで唐突に言われた撮影旅行。
「これから夏休みだろう? 日程は久遠に合わせる」
何を突然、とは思ったものの、オーナーが言い出したことはよほどのことがない限り、実行に移される。
出逢って数ヶ月とはいえ、そのくらいのことは身に染みるほどに理解していた。
加納が藤宮と懇意にしているのは「藤宮警備」が主体であり、次期会長のこの人と直接言葉を交わせる人間はまずいない。
俺はそんな人と仕事の契約を交わしたのだ。
「また、どうして屋久島なんですか?」
「親友の娘が行ってみたいと言っているらしくてね」
なら自分で行けよ……。
「久遠、撮影スタッフと屋久島へ行ってこないか?」
月一の打ち合わせで唐突に言われた撮影旅行。
「これから夏休みだろう? 日程は久遠に合わせる」
何を突然、とは思ったものの、オーナーが言い出したことはよほどのことがない限り、実行に移される。
出逢って数ヶ月とはいえ、そのくらいのことは身に染みるほどに理解していた。
加納が藤宮と懇意にしているのは「藤宮警備」が主体であり、次期会長のこの人と直接言葉を交わせる人間はまずいない。
俺はそんな人と仕事の契約を交わしたのだ。
「また、どうして屋久島なんですか?」
「親友の娘が行ってみたいと言っているらしくてね」
なら自分で行けよ……。