光のもとでⅠ
 その後、オフィシャルサイトに彼女の写真投稿が来るようになった。
 寄せられるコメントやメールに返事はしない。
 それは俺の学業を妨げないための対応策であり、より初版にプレミア度を増すための商売戦術でもある。
 けど、いつもそのサイトには目を通していた。
 彼女からの投稿がないか、と気にして。
 メールの返信後はちょこちょこ投稿されていたけれど、春を迎える頃には途絶えた。
 だから思ったんだ。
 オーナーは何も言わないけど、もしかしたら亡くなったのかな、って……。
 もしくは、すぐにカメラに飽きてしまったのかもしれない、と。
 どっちにしても考え始めるとブルーになるから考えることを放棄した。
 俺は知らなかったことにした。
 何もなかったことにしたんだ――。
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