光のもとでⅠ
 スキル云々ではなく感性の問題。
 彼女が撮った写真を見て、オーナーが欲しがっていた写真が具現化された気がした。
 作りこまれていない世界。
 そのままの――ありのままの世界。
 それでいて、普段目にしない視界。
 たとえば、普通に生活できる人ならこんなに低い視点でものを見るようなことはないだろう。
 けど、横になっていることが多い人なら……?
 そしたら、こんな景色は日常的。
 差し出された写真のどれもが地上近くから撮られた写真だった。
「彼女もうちの専属になった。通称Re:Merald(リメラルド)。じきに対面のセッティングをする。それまで久遠であることは伏せておくように」
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