光のもとでⅠ
『今、データ転送しました。写真です』
「確認します」
 送られてきた写真には確かに女の子と老人が写っていた。
 だが、とても鮮明とはいいがたいものだった。
『もっとはっきりした写真は撮れないのか?』
 本社の人間から激が飛ぶ。
『待合室の中と外では間にガラス一枚を挟んでおり、ホーム内の照明が反射するため、これ以上のものは撮れません』
 それは三人いる警備員誰もが同じ状況らしい。
 仕方ないといえば仕方ない。
 ホームの待合室はたいてがガラス張り。
 それは保安上の問題であったり、ホームに電車が入ってきたのがわかるように、と考慮されているからだ。
 まさか、待合室の中を「撮る」ことは想定されていない。
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