光のもとでⅠ
「キダさん……?」
 はっとして、さっき送られてきた不鮮明な写真を改めて見る。
 すると、もやっとした印象の写真は記憶に残る木田さんと重なった。
『木田です。もっと早くにご連絡を入れるべきでしたね。申し訳ございません。これからお嬢様もご一緒にブライトネスパレスへとお連れする予定なのですが、ご了承いただけますでしょうか?』
 気づけば通話相手は木田さんに代わっていた。
 ……間違いなく、これは木田さんだ。
 俺は一気に脱力する。
 木田さんは「許可」を求めているわけだけど、状況的にはほぼ決定事項です、と言っているようなものだ。
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