光のもとでⅠ
「木田さーん……それ、もう決定事項なんじゃないですか? リィのGPS、めっちゃ電車内なんですが……」
『おやおや、ご存知でしたか。すでに特急乗車券も手配済みで、今は特急列車の車内におります。御園生夫妻にもこちらからご連絡入れておきますのでご安心ください。因みに、静様にも通知してありますので』
 それとほぼ同時にインカムから警護班の声が聞こえてきた。
『静様から確保撤回命令を受けました。警護を続行いたします』
「やられた……。完全に外堀埋められたチックです」
「さぁ、なんのことでしょう? 老いぼれにはさっぱりわかりません」
 ナンバーツーであるオーナーが直に命令を下したともなれば、俺の言葉なんて即刻無に帰す。
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