光のもとでⅠ

08~20 Side Tsukasa 01話

 翠が何を考えているのかわからない。
 そんなことは今に始まったことではないけれど。
 一時、表情と行動を見ていればわかる気になっていたこともあるが、そんなものは「気」に過ぎない。
 今だって、何が起こっているのかさっぱりだ。
 昨日は学校で翠と会うことはなかった。
 昼休みの終わりに二階へ下りたものの、五限が体育の一年B組は、すでに半数の生徒しか残っておらず、その中に翠の姿はなかった。
 意識して会おうとするとこんなにも会えないものなのか……。
 俺は仕方なしに部室棟へと足を向けた。
 部室棟の階段を上がる途中、見知った顔が下りてくる。
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