光のもとでⅠ
『電話なんて珍しいね? でも、今日は昨日より十度も低い。その格好じゃ風邪ぶり返しちゃうよ?』
それに翠がなんと答えたのかはわからない。
秋兄はにこりと笑い、白衣のポケットからハンカチを取り出した。
『ハンカチは確かに受け取りました。……でも、これはまた貸しね?』
その言葉で、翠が昨日ドアポストに挟んだものの正体がわかる。
秋兄は翠を包むようにジャケットの前を合わせると、
『身体、冷やさないように』
と、その場を去った。
つまり、翠はジャケットを返したあと、なんらかの理由で秋兄からハンカチを借りることになる。
もしくは、秋兄が翠に会うためだけにハンカチを無理矢理貸した。
けれども、翠はそれを返すためにドアポストを利用し、ドアポストのハンカチに気づいた秋兄は再度ジャケットを貸しにきた。
それに翠がなんと答えたのかはわからない。
秋兄はにこりと笑い、白衣のポケットからハンカチを取り出した。
『ハンカチは確かに受け取りました。……でも、これはまた貸しね?』
その言葉で、翠が昨日ドアポストに挟んだものの正体がわかる。
秋兄は翠を包むようにジャケットの前を合わせると、
『身体、冷やさないように』
と、その場を去った。
つまり、翠はジャケットを返したあと、なんらかの理由で秋兄からハンカチを借りることになる。
もしくは、秋兄が翠に会うためだけにハンカチを無理矢理貸した。
けれども、翠はそれを返すためにドアポストを利用し、ドアポストのハンカチに気づいた秋兄は再度ジャケットを貸しにきた。