光のもとでⅠ
「ごめん。午後の授業始まるから教室に戻らなくちゃ」
 翠は唯さんの問いには答えず、一方的に携帯を切った。
 確かに午後の授業までそれほど時間があるわけではない。
 けれど、質問に答えるくらいの時間はあるはずだ。
 ……あぁ、俺に聞かれたくないってことか。
 悪いけど、それを察して引くほど俺は優しくない。
「……胃の調子、悪いの?」
 単刀直入に訊く。と、
「あ……夕飯っ、昨日の夜、夕飯食べすぎて胃もたれしてるだけ」
「……ふーん」
 胃もたれ、ね。
 実際はどうだか……。
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