光のもとでⅠ
「翠葉ー! もうすぐ予鈴鳴るよっ! 何、この風っ。さっむ」
俺は声の主を確認せずに話し続ける。
「俺は別にどっちでもいいけど?」
「大丈夫。自分で返しに行くから」
翠は今にも消え入りそうな声で答えた。
「……翠」
名前を呼んでもしばらくは顔を上げなかったが、俺が先を続けないからか、ようやく顔を上げた。
目が合ってから言葉を続ける。
「翠は今、自分がどれくらい俺に信用されてると思ってる?」
「……え?」
「上限は百だと言った。それから、ひとつの嘘で信用数値は五十ずつ減るとも。……つまり――」
俺は声の主を確認せずに話し続ける。
「俺は別にどっちでもいいけど?」
「大丈夫。自分で返しに行くから」
翠は今にも消え入りそうな声で答えた。
「……翠」
名前を呼んでもしばらくは顔を上げなかったが、俺が先を続けないからか、ようやく顔を上げた。
目が合ってから言葉を続ける。
「翠は今、自分がどれくらい俺に信用されてると思ってる?」
「……え?」
「上限は百だと言った。それから、ひとつの嘘で信用数値は五十ずつ減るとも。……つまり――」