光のもとでⅠ
10
翌朝目が覚めると、すでに蒼兄の姿はなかった。
「早朝ランニングかな……?」
思いながら基礎体温計を咥える。測り終えると、また睡魔に呑み込まれて眠ってしまった。
「翠葉」
聞き慣れた声に返事を返す。
ゆるり、と目を開けるとじっと私を見る湊先生がいた。
「……おはようございます」
「おはよう」
どうして先生は苦笑いをしているんだろう?
「あんたたち兄妹が仲いいのは結構だけど、これはいかがなものかと思うわよ?」
「……え?」
次にラベンダーカラーのファブリックが目に入り、ここが蒼兄の使っている部屋で、一緒に寝てくれたことを明瞭に思い出す。
「首、引っ掻かないようにって蒼兄が気を遣ってくれたんです」
「司から聞いた。……ちょっと見せてごらんなさい」
身体を起こし、湊先生に背中を向ける。
髪の毛を避けると、
「また派手にやらかしたわね」
と、呆れとも取れるような声と内容が耳に届く。
「早朝ランニングかな……?」
思いながら基礎体温計を咥える。測り終えると、また睡魔に呑み込まれて眠ってしまった。
「翠葉」
聞き慣れた声に返事を返す。
ゆるり、と目を開けるとじっと私を見る湊先生がいた。
「……おはようございます」
「おはよう」
どうして先生は苦笑いをしているんだろう?
「あんたたち兄妹が仲いいのは結構だけど、これはいかがなものかと思うわよ?」
「……え?」
次にラベンダーカラーのファブリックが目に入り、ここが蒼兄の使っている部屋で、一緒に寝てくれたことを明瞭に思い出す。
「首、引っ掻かないようにって蒼兄が気を遣ってくれたんです」
「司から聞いた。……ちょっと見せてごらんなさい」
身体を起こし、湊先生に背中を向ける。
髪の毛を避けると、
「また派手にやらかしたわね」
と、呆れとも取れるような声と内容が耳に届く。