光のもとでⅠ
「お父様、いらっしゃい」
「おじい様、いらっしゃい」
 母さんが最初に出てきて、その後ろから父さんと姉さん兄さんが出てきた。
 ダイニングにはすでに鍋の用意が整っており、あとは人が揃うのを待つのみだったらしい。
 じーさんがうちで夕飯を食べることはさほど珍しいことではないものの、この面子が揃うことはめったにない。
 この日は陽気なじーさんを囲んでの夕飯だった。

 八時まであと少しというとき、じーさんの携帯が鳴りだした。
 じーさんは着信名を見て怪訝な顔をする。
「なんじゃ。――ふぅむ……。わかった、朝一でパレスへ行く。五時に迎えに来い」
「お父様……? どうかなさったのですか?」
 母さんの問いかけに、じーさんはにこりと笑って俺の方を向いた。
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