光のもとでⅠ
「用などないわ」
「は……?」
「誰が秋斗に用があると言った? わしはただ、庵へ来いと言っただけじゃ」
 このくそじじー……。
「用がないなら帰るよ」
 再度エンジンをかけると止められた。
「まぁ、待て」
「夕方から本社で会議。じーさんの娯楽に付き合うほど暇じゃない」
 車の時計を見ながら言うと変な切り返しが来た。
「用があるのは秋斗じゃろうて」
「……何を言って――」
 言われた意味が全く理解できない。
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