光のもとでⅠ
 足音に気づいたのか、司は目だけをこちらに向ける。
 そして、俺の姿を認めると、驚きに目を見開いた。
「秋兄……」
「司、なんでおまえがここに……?」
 訊くまでもない気がする。
「明日、ここに入る許可をもらいに来た」
 司ひとり、単独なら許可など得る必要はない。
 つまり、連れて来る人間がいるということ。
 そして、そんな人間はひとりしかいない。
「……翠葉ちゃんと、か」
 じーさんは俺と司を会わせるために連絡してきたわけか……。
 確かに、用があるのはじーさんじゃなくて俺だわ。
 思わず苦い笑みが零れる。
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