光のもとでⅠ
 思ったよりも湊先生に言及されなくてほっとした。
 でも、わかってるんだよ……。秋斗さんが悪いわけじゃないって――。
 彼氏というのは恋人を指していて、恋人というのは婚約者をさすらしい。婚約者とは即ち結婚を前提にするお付き合いで、いずれは結婚する相手ということみたい。
 小説にはそこまで書かれていなくて、パソコンで検索をかけたらそこまで出てきた。
 そんなこととは知らずに秋斗さんの申し出を受けていた私はバカなのだと思う。
 結婚するということは、いずれは体の関係をも持つことになるわけで、"恋人"の意味を理解していなかった私には到底受け入れられることではなかった。
 首が……それを物語っている。
 だから、秋斗さんは悪くない。
 秋斗さんにはきちんと謝ってごめんなさいを言わなくてはいけない。
 軽く考えていたことを謝らなくては……。
 秋斗さんを好きな気持ちは嘘でもなんでもなかったんだけどな……。
 秋斗さんはこんな具合の悪い私でも好きだと言ってくれた。それはとても覚悟のいることだと思う。でも、私側にはまったく覚悟が足りていなかった。
 そこですれ違ってしまったのだろう。
 そして――秋斗さんは私に呆れてしまうのだろう。
 周りにいる友達は……?
 みんな結婚を前提に付き合っていたりするのだろうか。
 なんだかそれも違う気がする。
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