光のもとでⅠ
 君が心を痛めれば痛めるほどに、俺は罪の意識に押し潰されそうになる。
 君を救いたくて、自分が救われたくて。
 司にライバル宣言なんてしてみたものの、本当は――。

 思考の淵を漂い常に浅い場所を彷徨う睡眠は、疲れが取れるどころか疲労を上乗せさせるだけだった。
 三時前には眠りに落ち、今は五時を過ぎたところ。
 二時間ほど横になっていたというのに身体は鉛のように重かった。
 シャワーでも浴びたら少しはすっきりするか、とバスルームへ向かおうとしたとき、携帯が鳴った。
 着信は昨日と同じ人間、じーさんだ。
 俺は皮肉をこめて電話に出る。
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