光のもとでⅠ
20~26 Side Akito 05話
じーさんが部屋を出てから二十分ほどすると、俺のパソコンから音声が聞こえ始めた。
『もし、もし?』
昔俺が開発したものは病院で使うことが前提だったため、単なるマイクロレコーダーだったわけだが、今回のこれには無線機能が追加されていた。
ただ、ごくシンプルな無線機能が追加されただけなので、通信機器としては不十分。
向こうの音声を拾うことはできるが、こちらの音声が向こうに届くことはない。
ボールペン型集音機はマイク機能のみでスピーカー機能はついていないからだ。
つまり、どう逆立ちしても盗聴にしか使えないアイテム。
『こんなところで寝ると凍死するぞえ?』
穏やかで優しい老人の声だった。
『っ……ろ、げんさん』
『久しぶりじゃのう?』
彼女の細い声も聞こえてきた。
ふたりが再会の挨拶をしているとき、司に訊かれる。
『もし、もし?』
昔俺が開発したものは病院で使うことが前提だったため、単なるマイクロレコーダーだったわけだが、今回のこれには無線機能が追加されていた。
ただ、ごくシンプルな無線機能が追加されただけなので、通信機器としては不十分。
向こうの音声を拾うことはできるが、こちらの音声が向こうに届くことはない。
ボールペン型集音機はマイク機能のみでスピーカー機能はついていないからだ。
つまり、どう逆立ちしても盗聴にしか使えないアイテム。
『こんなところで寝ると凍死するぞえ?』
穏やかで優しい老人の声だった。
『っ……ろ、げんさん』
『久しぶりじゃのう?』
彼女の細い声も聞こえてきた。
ふたりが再会の挨拶をしているとき、司に訊かれる。