光のもとでⅠ
 俺と司と出逢ってからの話を静かに、ゆっくりと言葉にしていく。
 気づいてはいたが、彼女の言葉を聞いて記憶が戻ったことを改めて実感した。
 聞いているうちに、彼女の懺悔を聞いている気がしてくる。
 起こったことすべて、自分が悪いと――そう言っている気がした。
 どうして……。
 悪いのは俺だろう? 君じゃなくて、俺だろう?
 翠葉ちゃん、俺は君がそんなふうに言ってくれるほど大人の対応はできなかったんだ。
 もしできていたなら、君がこんなに苦しむことはなかったと思う。
 今がすべてを物語っている。
 なのに、どうして君は――。
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