光のもとでⅠ
 話が終わると、じーさんは彼女をランチに誘った。
 彼女は快く応じ、ふたりはそれから一時間ほど共に過ごした。
 同じ頃、俺たちにも昼食が届けられたが、歓談しながら食べるじーさんたちとは反対に、俺と司は無言で料理を口にした。
 ランチが済むとじーさんは藤倉まで一緒に帰ることを提案したが、彼女はじーさんの誘いを断り電車で帰る旨を伝えた。
 そこで話が終わるかと思えば、最後の最後でじーさんは話をもとに戻す。
『お嬢さん、次に会うたときに教えてくれぬかの』
『何を、ですか?』
『お嬢さんの恋愛感情がどう変化したか、を』
『え……?』
『わしは「好き」という感情が意思でどうこうできるものとは思えんでのぉ……。じゃから、次に会うたときに教えておくれ』
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