光のもとでⅠ
「お嬢さんが館内に戻ってきてからでも問題はなかろう?」
じーさんはよほど外に出るのが嫌なのか、提案できるギリギリのところまで食い下がる。
それも仕方のないこと。
喘息持ちのじーさんにとって、外気温との差は身体に堪えるのだから。
冷たく乾燥した空気は気管支を刺激し、炎症反応を促進する。
そんなことは秋兄も知っていることだけど、秋兄も引かなかった。
「いや、大ありかな? 彼女もじーさんと同じで寒さに強いほうじゃない。でも、今の彼女は放っておいたら戻ってきそうにないからね。頃合を見計らって館内に連れ戻してほしい。それがもうひとつの頼み」
じーさんだけではなく、翠にかかるリスクも高い。
俺たちにはじーさんと翠のどちらかを選ぶことはできない。
じーさんが会うというのなら、その役はじーさんが受けてしかるべき。
じーさんはよほど外に出るのが嫌なのか、提案できるギリギリのところまで食い下がる。
それも仕方のないこと。
喘息持ちのじーさんにとって、外気温との差は身体に堪えるのだから。
冷たく乾燥した空気は気管支を刺激し、炎症反応を促進する。
そんなことは秋兄も知っていることだけど、秋兄も引かなかった。
「いや、大ありかな? 彼女もじーさんと同じで寒さに強いほうじゃない。でも、今の彼女は放っておいたら戻ってきそうにないからね。頃合を見計らって館内に連れ戻してほしい。それがもうひとつの頼み」
じーさんだけではなく、翠にかかるリスクも高い。
俺たちにはじーさんと翠のどちらかを選ぶことはできない。
じーさんが会うというのなら、その役はじーさんが受けてしかるべき。