光のもとでⅠ
じーさんが部屋を出てすぐ、藤原さんも席を立った。
「どちらへ?」
藤原さんは秋兄の問いかけに振り返らず答える。
「私、盗み聞きするような悪趣味は持ち合わせていないの。……隣、第二応接室にいるわ。何かあったら呼びに来て」
そう言うと応接室を出ていった。
「相変わらず辛辣なことで……」
「言われても仕方ないんじゃないの? 俺だって相手が翠じゃなければこんなことはしない」
「おまえも相変わらずだな」
なんとでも……。
秋兄だってそうだろ……?
相手が翠でなければここまで来たり、こんなことをしたりはしないはず。
しょせん、俺たちは同じ穴の狢なんだ。
「どちらへ?」
藤原さんは秋兄の問いかけに振り返らず答える。
「私、盗み聞きするような悪趣味は持ち合わせていないの。……隣、第二応接室にいるわ。何かあったら呼びに来て」
そう言うと応接室を出ていった。
「相変わらず辛辣なことで……」
「言われても仕方ないんじゃないの? 俺だって相手が翠じゃなければこんなことはしない」
「おまえも相変わらずだな」
なんとでも……。
秋兄だってそうだろ……?
相手が翠でなければここまで来たり、こんなことをしたりはしないはず。
しょせん、俺たちは同じ穴の狢なんだ。