光のもとでⅠ
秋兄のパソコンから音声が聞こえてきた。
じーさんが翠に接触したことがわかると俺は本を閉じ、聞こえてくる音に意識を集中した。
じーさんの声に気づいた翠が発した言葉は「ろげんさん」。
「ろげん、って何?」
目の前に座る秋兄に訊くと、俺が全く知らない情報がもたらされた。
「じーさん、趣味で陶芸やってるだろ? その作品をうちのデパートの雑貨屋に置いてるんだ。その陶芸作家の名前が『朗元』。ばーさんの和名、『朗良』の『朗』にじーさんの『元』で『朗元』」
じーさんが翠と接触したことは聞いていたけど、まさかそんなこととは……。
「じゃぁ、翠は今喋ってる相手が俺たちのじーさんであることも藤宮財閥の会長であることも知らないわけ?」
「知らないだろうね。彼女にとっては大好きな陶芸作家の朗元以外の何者でもないはずだ」
あのくそじじぃ……。
じーさんが翠に接触したことがわかると俺は本を閉じ、聞こえてくる音に意識を集中した。
じーさんの声に気づいた翠が発した言葉は「ろげんさん」。
「ろげん、って何?」
目の前に座る秋兄に訊くと、俺が全く知らない情報がもたらされた。
「じーさん、趣味で陶芸やってるだろ? その作品をうちのデパートの雑貨屋に置いてるんだ。その陶芸作家の名前が『朗元』。ばーさんの和名、『朗良』の『朗』にじーさんの『元』で『朗元』」
じーさんが翠と接触したことは聞いていたけど、まさかそんなこととは……。
「じゃぁ、翠は今喋ってる相手が俺たちのじーさんであることも藤宮財閥の会長であることも知らないわけ?」
「知らないだろうね。彼女にとっては大好きな陶芸作家の朗元以外の何者でもないはずだ」
あのくそじじぃ……。