光のもとでⅠ
「闘う振りして実は引くつもりとか、そんなの許さないよ。……何情けない顔してるんだよ。秋兄は自分がしてきたことがすべて、自分だけが悪いとでも思っているわけ? それ、甚だしく間違ってるから今すぐ考え改めて。前にも言ったけど、秋兄に問題はあったかもしれない。じゃぁ、翠になんの問題もなかったかっていったら俺は違うと思う。そこでふたり仲良く自分を責めて悲観するのやめてくれない? はっきり言って不愉快だっ」
秋兄は何も言わない。
くっそ……なんで何も言い返さないんだよっ。何か一言くらい言えよっ――。
「俺はっ――俺は、今の状況に満足してる。俺はこうなったうえで自分を選んでほしかったから」
「司……?」
「俺と秋兄が同じ土俵に立って、横に並んだ状態で選んでもらうことに意味がある。むしろ、それ以外に意味はない。俺の言ってることわかれよっっっ」
秋兄は何も言わない。
くっそ……なんで何も言い返さないんだよっ。何か一言くらい言えよっ――。
「俺はっ――俺は、今の状況に満足してる。俺はこうなったうえで自分を選んでほしかったから」
「司……?」
「俺と秋兄が同じ土俵に立って、横に並んだ状態で選んでもらうことに意味がある。むしろ、それ以外に意味はない。俺の言ってることわかれよっっっ」