光のもとでⅠ
「もし俺が秋兄だったら――俺が秋兄で、秋兄と同じように翠と付き合う経緯にあったとしたら、俺だって同じことをしたと言える」
 俺は正面から秋兄を見据える。
「相手の気持ちがどうとかそういうことまで考えられなくて、自分の気持ちだけ押し付けて、それで翠を傷つけたに違いない。……あぁ、もし俺が秋兄だったとしても女遊びはしてないだろうから、女の扱いなんて知らない俺はもっとひどく傷つけたかもね」
「おまえ、何を言って――」
「変わらないんだよっ。俺も秋兄もっ。たぶん、俺のほうがもっとひどい」
 秋兄は意味がわからないといった顔をしていた。
 いいよ、全部白状してやる……。
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