光のもとでⅠ
「自分で学校生活台無しにしてる感じが見てて腹立つんだよね。さらに、周りは意地悪してるわけでもないのに、なんだか後ろめたくなるくらいの孤立っぷり」
 あぁ、と思った。
 ケンのテンションが低かった理由はこれだ。
 これも海斗と同様、自分の懐に入れた人間が蔑ろにされるのは許せないタイプだった。
 もっとも、海斗よりは数段温厚だが……。
「部活は華道部と和筝部に所属。華道部に所属したのは簾条に近づくため。和筝部に所属したのは佐古川(さこがわ)に近づくため。茶道部の顧問が藤宮に縁ある先生なのに所属していない理由は自分ちの茶を使っていないから」
 なるほど。徹底していていっそ清々しいくらいだ。
「部室に戻れば写真もあるよ」
「なんで……」
「新年度に撮るクラス写真は全クラス分買うことにしてる」
 それに何か意味があるというのだろうか。
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