光のもとでⅠ
 殺し、誘拐の類は考えなくていい。
 危害を加えるという意味でなら、怪我を負わされる程度のことは考慮するべきか――。
 だが、そのくらいのことなら風紀委員がなんとかできるレベルでもある。
 じーさんが口にした言葉を思い出して歩みを止める。
「学園警備を好きに使え……?」
 つまり、風紀委員ではカバーできない部分があるということか?
 ――情報が足りない。
 俺は携帯のメール画面を起動し、ケンにメールを送った。


件名 :学園内の噂
本文 :今年度に入ってからのものを
   教えてくれ。
   漏れなく全部だ。


 返信はすぐに来た。
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