光のもとでⅠ
「あれ、大丈夫なのかね?」
 口にしたのは蒼兄。
「うーん……どうだろう?」
 思わず首を傾げてしまう。
「彼、腕と頭と顔がいいらしいわよ? なんでも秋斗くんと同等に仕事をこなせるって話だから」
「それはすごいかも……」
 と、蒼兄が口にした。
「さ、翠葉ちゃんはお薬飲んで少し休みなさい。海斗くんたちが来たら起こしてあげるから」
 そう言われて薬を飲むと、また朝と同じように手をグルグルに巻かれた。
 季節的に少し暑いとは思う。でも、仕方がない。これは自己防衛の一環だから。
 今が冬だったらあたたかくて良かったのに。
 そんなことを思いながらベッドに横になる。と、部屋に蒼兄が入ってきた。
「今日って誰が来るの?」
「海斗くんと桃華さんのふたりは聞いているけど、飛鳥ちゃんと佐野くんは未確認」
「ふーん」
「……どうかしたの?」
「いや、とくに何があるわけじゃないんだけどね」
 それだけを確認すると部屋を出ていった。
「なんだったのかな……?」
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