光のもとでⅠ
 アラームが鳴る前に目が覚め、定位置に手を伸ばし携帯のアラーム機能を止める。
 毎朝同じ行動を繰り返していると、なんのためのアラーム機能なのか、そもそもアラームを鳴らす必要性があるのかすら悩ましく思えてくる。
 ベッドの上に身を起こし、出窓のカーテンを開くがさほど明るいとは感じなかった。
 これからの季節、暗い時間のほうが長くなるわけだが、だからと言って人間の活動時間が短くなるわけではない。
 携帯に表示される天気予報は曇りのち雨。
 夕方には雨が降ると表示されていた。
 十二月を目前に、一気に朝晩が冷え込むようになった。
 それに加えて雨ともなれば翠の体調が気になる。
 これらの気象状況が身体の痛みに響かないわけはないだろう。
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