光のもとでⅠ
昨夜、秋兄の電話を切ったあとに翠へ電話をかけた。
しかし、一度通話状態になったものの、何度呼びかけようとなんの反応も得られなかった。
うんともすうとも言わないどころか、それは一分と経たないうちに切れた。
再度かけ直してみたがコール音が途切れることはなく、通話状態になることもなかった。
「なんだったんだか……」
洗面を済ませてから一階へ下りると、廊下にコーヒーのいい香りが漂っていた。
いつもならこれに加えて包丁の音や人の動く気配があるわけだが、それらがない。
リビングに入り間通しになっているダイニングに目をやると、キッチンの入り口に父さんが立っていた。
「コーヒーだけは淹れてある」
「わかった」
俺は主人不在のキッチンに入り、トースターにパンを入れる。
しかし、一度通話状態になったものの、何度呼びかけようとなんの反応も得られなかった。
うんともすうとも言わないどころか、それは一分と経たないうちに切れた。
再度かけ直してみたがコール音が途切れることはなく、通話状態になることもなかった。
「なんだったんだか……」
洗面を済ませてから一階へ下りると、廊下にコーヒーのいい香りが漂っていた。
いつもならこれに加えて包丁の音や人の動く気配があるわけだが、それらがない。
リビングに入り間通しになっているダイニングに目をやると、キッチンの入り口に父さんが立っていた。
「コーヒーだけは淹れてある」
「わかった」
俺は主人不在のキッチンに入り、トースターにパンを入れる。