光のもとでⅠ
「あのね、一から話し始めるとすごく長くなるのだけど、みんな時間は大丈夫?」
「……御園生、どんだけ話すことあるんだよ」
 苦笑しながら呆れたように佐野くんが口にする。
「大丈夫! みんな午前で部活終わってきているし、桃華が洋服っていうことはこのあとの予定はなし!」
 確かに、桃華さん以外はみんな制服だった。
 そして、家の用事がないときは洋服で過ごす、と以前桃華さんから聞いたことがある。
 ならば、話す時間は存分にありそうだ。
「……実は、数日前に秋斗さんと付き合うことになってね――」
「ついにかっ!」
 そう言ったのは佐野くん。
「えーーーっ!?」
 と、発狂に近い声を出したのは飛鳥ちゃん。
 無言でごくり、と唾を飲んだのは桃華さんだった。
 海斗くんは、「ハハハ」と乾いた笑いでその場をやり過ごす。
「で、どうしてコレなのよ……」
 あくまでも路線をきちんと確保しようとする桃華さんが頼もしい。
「うーん……この部屋からだと空が見えないでしょう?」
 私の言葉に、みんなが窓の方を見る。
 そして頷くも、それが意味することを理解できないようだった。
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