光のもとでⅠ
「や……御園生、そこまで全力で否定しなくても」
「うん……そこまで全力で否定されると司が惨めすぎて……」
 佐野と海斗が俺をちらちらと見ながらフォローにすらなり得ない言葉で翠を宥める。
「嗜める」ではなく「宥める」あたり、俺をフォローするためのものではなく、焦って動揺している翠を落ち着かせるためだけの行為。
 対する翠は、
「えっ!? どうしてツカサが惨めになるのっ!?」
 まるで要領を得ていない。
 その場の人間が困り果てたところで自分も話しに加わった
「別にかまわない。さすがに慣れた」
 俺の言葉でさらに疑問が深まったのか、翠はパチリと瞬きをした。
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