光のもとでⅠ
「だから翠は鈍いって言われるんだ……」
「え……?」
「朝陽と優太、ふたりと――というよりは、翠を除く生徒会メンバーと賭けをしていた。俺が翠に向けて歌ったところで翠が気づくかどうか。……当然、俺は気づかないほうに賭けて勝ったわけだけど」
 まさかこの話をすることになるとは思っていなかった。
「う、た……?」
 翠の中では「うた」が「歌」と直結していない。
「紅葉祭一日目のライブステージ。俺が歌う歌は翠への告白になるようなものが選曲されていた」
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